きみのためにできること

 
ぼくのなまえはリリー
ぼくにはひだりうでがない
 
ぼくにはいつもあそびにいくおうちがあった
あそびにいくといつもごはんをくれていっぱいあたまをなでてくれた
いつものようにあそびにいこうとすると・・・
ぼくのからだになにかがひっかかった。
すっごくすっごくいたくて・・・
いたくていたくて・・・
からだをぶんぶんふっても、なにをやってもいたくて・・
それでもぐいぐいぐいぐいってうごかした
 
ひっかかっているものはとれたけれど
からだはじんじんいたくなってきた
 
あそこのおうちにいけば・・・
いけばきっとまたあたまをなでてもらえる
ぼくはがんばってあるいた
 
いつものおうちにつくと・・・
その人はすごくびっくりしたかおをして・・
ぼくをびょういんにつれていってくれた
まぶしい光がいっぱいみえて・・
だんだんねむたくなった
 
 
 
 
めをさますとぼくのひだりうではぜんぶなくなっていた
 
 
 
 
そして
「うちではどうしてもかえないんです」
というこえがきこえた
それからぼくはびょういんでずっとすごした
あるひ、くるまにのせられて
 
じょうとかいというものにいった
いろいろなひとがぼくをみてくれた
「かわいいねー・・・でも3ぼんあしかぁ・・」
「3ぼんじゃーねぇ・・・」
 そういってせなかをむけた
 3ぼんて・・おかしいのかな・・・
 
 
 
ぼく生きているのに・・・
 
 
 
しばらくすると・・・ちいさな子がぼくのめのまえにきた
「まぁまーーー!!くろくてかっこいいねこがいるよ!!!みてみてー!!!」
おとなをつれてきた
「あら、なんてステキなねこなの♥」
 ぼくをじーーっとみつめたまま
「なんてキレイな目をしているの。ステキすぎるわ。」
そういった
 
 びょういんにもどってまたのんびりしていると・・・
 その子がまたぼくをみにきた
 「はやくおうちにきてね」
そういってくれた
 
そうしてぼくはその子のおうちにいくことになった
 
 
 
「きょうからここがおうちだよ。
そしてなまえはリリーだよ」
 
 
 
 ぼくはドキドキした。
 
 
 
 おとこのこはまいあさぼくにごはんをもってきてくれてあたまをなでてくれた
 
 
 「ここがリリーのおうちだからいつだってたんけんしていいんだよ!!」
 
 
 
だからぼくはたんけんしてみた
 
 
 
 おうちのなかには大きな犬がいたけれどぼくにやさしくしてくれた
 
 
 
 おとこの子はうれしそうにぼくのからだをなでてくれた
 
 
 
「これぼくがえらんだんだよ!!!」
 とさかなのおもちゃをだしてきた
 
 
 
 くんくんとしてみたり
 
 
 
えぃ!!!っとたたくとおとこの子はもっともっとよろこんでくれた
 
 
 
 
 
 
 
 
でもやっぱりぼくにはひだりうでがない
 
 
 
 
 
 
 
 
だから・・・
「うちではかえないんです・・」
 そういわれるのかも・・・とふあんになった
 
 「ねぇしんちゃん、だれかが”リリーは3ぼんあしだからへんだよ”
っていったらどうする?」
 
 
 「3ぼんだってはしれるよ!!っておしえてあげる!!
ドラえもんだって耳ないけどなんだってできるし!!」
 
そういっておとこの子がドラえもんのかみしばいをよんでくれた
ぼくはうれしくなってじーーとみていた
 
 
 おとのこもうれしそうにたくさん笑ってくれた
 
 
 
きみのためになにができるのかわからないけど、
ぼくがにゃぁっとなくと、やっぱりうれしそうに笑ってくれるから
まいあさきみがみえたらぼくはにゃぁってなくことにするよ 
 
ぼくにはみぎうでがあるんだ。
 
すっごくジャンプできる後ろのあしもある
 
ぼくにはかぞくができたんだ
 
 
 
 ふあんがきえた
 ぼくにはかぞくができたんだ
 
 きょうもあんしんしてねむれそうだよ
 
あしたもおおきなこえでなくよ
 
にゃーーーーってね。
 
 ぼくのなまえはリリー
 せかいでいちばんしあわせなねこだ
 








2 件のコメント

  • リリーの話大好きです!
    ウルウルしてしまいます。
    心が荒んだ時に読むと解決してしまいます。

    うちにも3本足の犬がいたので、
    3本足が全く問題じゃない事、よくわかります^^

  • わたしも
    片腕が、ちぎれた、猫ちゃんを
    保護したことがあります!
    痛々しくて、可哀想で、
    すぐに動物病院へ行き、
    処置手術をしてもらいました。
    しばらく飼っていたのを
    懐かしく思い出しました

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